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社会制度の話

お金の借りる時の上限金利が緩和される?

2014.07.09

お金を借りる時には一般的に利息がかかりますよね。利息は金利や返済方法により決まります。金利が高くなればそれだけ返済金額が多くなることはお分かり頂けるかと思います。

例えば100万円を借りて1年後に利息と元金を返済する場合、金利が年20%だったとしたら、利息が20万円で、元金とあわせて120万円を返済することになります。もしも利息が29.2%だったら、利息だけで29万円超となり、年間10万円近く多く返済しなくてはいけません。

ただし、実際は返済方法(元利均等・元金均等)が違い、月々利息と元金を返すため、複雑な計算になることが多いのです。そして、金利の違いにより返済金額にもっと大きな差が生まれます。

数年前まではお金を借りると29.2%の金利まで有効でしたが、2010年に上限金利を15%~20%に制限されるようになりました。それとともに、「総量規制」で、個人の総借入額は「年収の3分の1以内」とされました。

この規制ができたのは、多くの借金のため返済ができなくなり、自己破産に追い込まれたり、過酷な取り立て等の被害に遭った方が多かったからです。

しかし、ここにきて「上限金利を29.2%に戻す」「総量規制を無くす」という改正案が出てきています。すべての貸金業者が対象ではありませんが、一見数年前の状況に戻ってしまうように見えます。

商売をされている方の中には、総量規制のためにお金が借りにくくなり、一時的な資金が借りられない、という困難な状況に陥ったため、その状況から回避する目的だそうですが、改正案が成立となると、また自己破産等の問題は大きくなるでしょう。

現時点では、反対論も根強く金融庁を慎重な立場をとっているので、すぐに成立することはなさそうですが、動向が気になるところですね。その他「集団的自衛権」等、難しい問題が多くありますが、他人事ではなくそれぞれが考えなくてはならない時代かもしれません。