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経済の話

2026年、家計の「実質的なゆとり」を左右する3つのポイントとは

2026.01.08 / 担当:佐々木 茂樹

2026年を迎え、私たちの家計を取り巻く環境は「期待」と「警戒」が入り混じる、非常に重要な転換点にあります。FPの視点から、2026年の家計管理において絶対に押さえておきたい3つのポイントをまとめました。

1. 「178万円の壁」への改正と手取りの最大化

2026年度からの本格導入が見込まれている「年収の壁」の引き上げ(103万円から178万円へ)は、多くの世帯にとって最大の関心事です。

〇メリット: 所得税の基礎控除等が拡大し、年収665万円以下の中間層を中心に、納税者全体の約8割が減税の恩恵を受けると予測されています。
〇注意点: 税制が変わっても、「社会保険の壁(130万円など)」は依然として存在します。税金が安くなっても社会保険料が発生すれば、手取りが大きく減る「逆転現象」が起きるため、働き方のシミュレーションが不可欠です。

2. 「金利のある世界」への本格シフトと住宅ローン

2025年末からの利上げ局面を受け、2026年の住宅ローン市場は様変わりしています。
固定金利の上昇: フラット35や10年固定金利はすでに上昇傾向にあり、2%台に乗るケースも増えています。

〇変動金利の動向: 日銀の政策修正に伴い、これまで安定していた変動金利にも上昇圧力がかかっています。
〇対策: 現在ローンを組んでいる方は、「返済額が増えた場合の家計余力」を再点検してください。これから借りる方は、金利上昇を見越した厳しめの予算設定が求められます。

3. 「インフレの定着」と資産防衛

日銀の予測では、2026年の物価上昇率は目標の2%前後で推移すると見られています。もはや物価高は「一時的なアクシデント」ではなく、「日常」となりました。

〇預貯金のリスク: 物価が2%上がると、現金の価値は相対的に2%目減りします。
〇対策: 2024年に始まった新NISA制度も3年目を迎え、運用の成果に差が出始める時期です。生活防衛資金(現金)は確保しつつ、インフレに強い資産(株式や投資信託など)への配分を、改めてFP等の専門家と見直すタイミングと言えるでしょう。

以上を踏まえて2026年は、減税による「入り」の増加が期待できる一方で、社会保険料や金利という「出」の圧力も強まる年です。「なんとなく」の管理から脱却し、ご自身の世帯に合う制度改正があるか、またご自身の現在の年収・住宅ローンの有無や今後の住宅購入・教育資金準備など、しっかりと数値化して考えていきたいものです。